卒業

昨年大好きだった自担がグループを卒業した。
卒業発表された当日ファンクラブからのお知らせを見て、心臓が痛くなった。だってまさか彼が、事務所の先輩タレントに憧れて、アイドルという夢を1番理解していると思ってた彼が卒業するなんてと。

正直、2022年にデビュー10周年を祝うアルバムやライブを終えてから半年以上音楽活動が無いことに違和感は感じていた。でもそれは別のメンバーが休養中で全員揃った姿を見せられないから、メンバー全員揃うまで待ってるだけだと思ってた。

9月の発表の時に「ファンの皆さんと沢山会える機会を作りたい」と言ってくれた。でもそれから1ヶ月いきなり決まった他の事務所との合同ライブ以外何も無かった。12月の卒業まで3ヶ月しかないのに。アイドルとしての彼の姿が最後になるかもしれないのに。
11月にアルバムが出ることが発表された。卒業ツアーがあるかもと思った。結局発表されたのは毎年やっている舞台公演だった。
正直ショックだった。自分たちのグループの曲だけをやるライブをやって欲しかった。全員で活動するのはこれが最後なのに。
毎年楽しめてた舞台公演だったけど複雑でしか無かった。
当選して公演に入る事が出来た。結局グループのパフォーマンスを観て今までの大好きな気持ちや幸せな気持ちがふつふつと湧き上がってきた。(チョロ)
挨拶でメンバーが心境を話してくれた。前を向いてる人も居たし、私たちファンと同じように複雑そうな人もいてそれが余計に心に刺さって泣いてしまった。
周りを見渡すと色んな人が目元をハンカチで押さえていた。私は「これを見てやっぱり卒業取り消してくれないかな」とも思った。それくらい直接まで納得出来なかった。納得出来なかったけど離れていく背中を止める権利は無いとも思った。ファン以上にそばにいて一緒に活動していたメンバーが受け入れた以上、応援している私たちはそれを見守ることしか結局出来ないのだ。それは彼らの舞台公演が1番よく教えてくれた。


そして私は彼の卒業後、彼にも、グループにも一気に興味が無くなった。彼が始めたYouTubeはほぼ観ていない。自分でもびっくりしたこんなにも興味が無くなるなんて。結局アイドルとしてキラキラしていてアイドルなのに他の職業の人と仕事をしている姿をリスペクトしていたんだなということに気付かされた。

そして私は昔から好きだったオーディション番組でデビューしたアイドルグループを応援する方向にシフトチェンジしている。

「アイドル」が「アイドル」を辞める瞬間を見てその悲しみを知っているのにまた違う「アイドル」を応援しようとしている。
それだけ「アイドル」という存在が大きい力を持っているのだ。